こんにちは、歯科矯正に特化した専門医院【赤坂矯正歯科】院長の黒岩です。
先日参加した「PGIコース・オープンバイト用スプリントセミナー」で得た学びについてお話しをします。
(今回は備忘録として書いていますので、専門用語が多めの内容になります。)
PGIコース・オープンバイト用スプリントセミナーは西川先生が顎関節をテーマに毎年開催されている大人気のセミナーで(なんと2年先まで席が埋まっているそうです。)、今回ようやく参加が叶いました。
顎関節と歯並び・噛み合わせは密接に関わりがあるため、矯正専門医としては常に学び続けなければいけない分野です。
今回も西川先生のセミナーを受講し、新たな気付きを得る事が出来ました。
以下、オープンバイトについて少し補足します。
オープンバイト(開咬)とは?
オープンバイトとは、歯を噛み合わせたときに、前歯の部分に隙間が空いてしまう状態のことです。口を閉じても前歯がぴったりと合わないため、見た目だけでなく、様々な不具合を引き起こす可能性があります。
顎関節症とは?
顎関節症とは、顎の関節やその周りの筋肉に痛みや違和感を感じたり、口が開けにくい、顎を動かすと音がするなどの症状が出る病気です。
「顎が痛い」「顎が開かない」「顎から音がする」などを訴えられる患者さんが多いです。
顎関節症とオープンバイト(開咬)の関係性について
- 関節への負担増大: 開咬の状態では、前歯でしっかりと噛み合わせず、奥歯に過度の負担がかかります。その結果、顎関節に負担がかかり、痛みや違和感、関節音が発生する可能性があります。
- 筋肉の緊張: 噛み合わせが不安定な状態が続くと、咀嚼筋が常に緊張状態になり、顎関節症を悪化させる原因となります。
- 関節円板の変位: 長期的な開咬は、関節円板の変位を引き起こし、顎関節の動きを妨げる可能性があります。
顎関節症の治療はいくつかありますが、中でも矯正治療は根本的なアプローチという点で特に有効な治療方法の1つです。外科手術に比べてリスクが低く、患者さんの身体への負担も少ない方法です。
その他、物理療法や薬物療法もありますがこちらは根本的なアプローチではなく、痛みや筋肉の緊張を一時的に和らげるいわゆる対症療法となります。
顎関節症は毎日のQOLに大きく影響しますので、根本的なアプローチで解決を目指すことをおすすめします。
顎関節の奥深さ、そして新たな発見
顎関節は、まだまだ解明されていない部分が多く、非常に奥深い分野です。直接目に見えない組織であること、患者さん一人ひとりの症状や状態が異なることなど、画一的な治療が難しい点が大きな特徴です。
今回のセミナーでは、通常の咬合調整用スプリントとは異なる、オープンバイトに特化したスプリントの作成方法について、詳しく学ぶことができました。特に、オープンバイトに対してスプリントを用いることで、改善が見られたという点には驚かされました。
一体どのようなメカニズムで改善が見られたのか、西川先生は「正直、はっきりとは分からないが、下顎が回転したのではないか」という見解を示されていました。40年以上も顎関節と向き合ってきた先生でさえ、そのメカニズムを完全に解明できていないという事実に、顎関節の奥深さを改めて実感しました。
生きた臨床例から学ぶ
セミナーでは、顎関節症の見極め方や実際の臨床ケースも数多く紹介されました。
治療の前後比較や治療中の経過、そして治療を受けた患者さんの感想など、生の声を聞くことができ、非常に有意義な時間となりました。
熱量あふれる3時間、いや9時間!
今回のセミナーは、当初予定されていた3時間を大幅に超え、最終的には9時間にも及ぶものでした。それだけ、西川先生の熱量と、参加者の熱意がすごかったということでしょう。
顎関節治療への貢献を目指して
今回のセミナーで得た知識を活かし、より多くの患者さんの開咬と顎関節の悩みを解決できるよう、今後も研鑽を続けていきたいと考えています。
まとめ
- 顎関節は非常に複雑で、まだまだ解明されていない部分が多い。
- オープンバイト用スプリントは、従来のスプリントとは異なる作成方法が求められる。
- 顎関節治療は、患者さん一人ひとりの状態に合わせて、オーダーメイドの治療を行うことが重要。
- これからも、顎関節治療のさらなる発展に貢献したい。
当院では開咬の治療を行っております。開咬は特に矯正治療の必要性が高い症状になります。
「前歯が噛めない」「口が開いている」などの症状でお悩みの方はぜひ一度ご相談ください。
赤坂矯正歯科
東京都港区赤坂6-3-16-1F(赤坂駅7番出口30秒)
アクセスマップはコチラ
問い合わせ 03-6230-9959
メール info@akasaka-ortho.com
LINE @873isrts
今すぐ無料相談予約!初回カウンセリング(60分)のご予約はコチラから