【前編】子どもたちの顎が育たない時代に:いま世界中で広がる“不正咬合のパンデミック”とは?〜眠れない子供たち〜|赤坂矯正歯科|港区赤坂駅すぐの矯正専門歯科クリニック

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【前編】子どもたちの顎が育たない時代に:いま世界中で広がる“不正咬合のパンデミック”とは?〜眠れない子供たち〜|赤坂矯正歯科|港区赤坂駅すぐの矯正専門歯科クリニック

こんにちは、赤坂矯正歯科 院長の黒岩です。
歯列矯正治療を専門に行う医院にて日々、診療を行っております。

先日開催された井上 敬介 先生(I Dental Clinic)
「Face Driven Airway Dentistry:3Dフェイススキャンで読み解く顔貌と気道の新たな診断アプローチ」

小児矯正セミナーをなるべく分かりやすくまとめてみました。


小児矯正の重要性について、予防の観点から非常に論理的に解説されていたので、
お子様の歯列矯正を検討しているお母様、お父様はぜひご覧ください。

(スライドはセミナー資料を引用させていただいております。)

※この記事は「前編」です。「後編」は近日中に公開予定です。ぜひブックマーク・フォローしてお待ちください。

 

〜不正咬合・睡眠・発達をつなぐ、予防矯正の最前線〜

「5歳になって気づいた」では遅いかもしれません

「最近、歯の生え変わりが始まったけど、なんとなく歯並びが気になる」
「いつも口が開いていて、ポカンとしている」
「いびきをかいているけど、成長すれば自然に治るのでは?」

実はこのような兆候は、すでに「予防のタイミングを逃しかけている」サインかもしれません。

最新の研究や臨床現場からの報告によると、2歳半頃に見られる悪癖(お口ポカン・口呼吸・舌の低位)が、5歳を過ぎた頃に「発達の問題」や「歯並びの異常」として現れてくるケースが急増しています。

不正咬合は「世界的パンデミック」

WHOや各国の学会が報告するように、
**いまや世界の子どもたちの5人に4人が不正咬合(歯並びの乱れ)**を抱えていると言われています。

原因は?
それは、私たちが毎日当たり前のように接している「現代の食文化と生活習慣」。

  • 柔らかく加工された食べ物

  • 咀嚼回数の減少

  • スマートフォンやタブレットによる姿勢の悪化

  • 鼻炎・アレルギーなどによる慢性的な鼻づまり

  • 就寝中の口呼吸

これらが、**「顎の成長を妨げる生活」**を日常化させ、
結果として歯が並ぶスペースがなくなっているのです。

特に最近では、
**「頭蓋顔面の発育障害」**という新しい概念も注目されています。

お口ポカンや舌の位置の乱れ、呼吸機能の低下などによって、
中顔面が前方ではなく下方に成長し、「面長」「鼻ぺちゃ」「アゴなし」といった特徴的な顔貌につながっていくのです。

実際の症例紹介

セミナー内で紹介されていた、6歳の女の子の症例。

初診時、口が常に開いていて、睡眠中のいびき、むせ、食事中の水分依存、日中の疲労感が見られました。
歯列を確認すると、乳歯の早期脱落があり、前歯が大きく重なって生えてきていました。

CBCTで気道を測定すると、体積は年齢平均の半分程度。
睡眠時無呼吸症候群の診断も受けており、保護者の方は非常に悩まれていました。

そこで、「原因療法」として、顎の成長を促すための予防的矯正とMFT、呼吸指導を実施。
2年間の治療で、顔貌の変化と共に気道体積も4000→15000へ。
歯並びだけでなく、「よく食べ、よく眠れ、元気に過ごす」という、生活の質そのものが改善されたのです。

 

赤ちゃんは本来「鼻呼吸」で生まれてくる

人間の赤ちゃんは、生まれたときには自然に鼻呼吸をしています。
母乳育児が正常に行われていれば、舌は上顎についており、自然と口は閉じられています。

しかし、成長の過程で:

  • 鼻づまり

  • 姿勢不良

  • 抱っこの角度

  • 生活リズムの乱れ などの要因が重なり、いつしか舌が下がり、口が開き、口呼吸へと移行してしまうのです。

この「お口ポカン」の習慣が続くと、舌が上顎を押し広げる力が失われ、顎が十分に成長できなくなります。
つまり、顎の成長を正常に導くには、「口腔姿勢+呼吸の正常化」が不可欠なのです。

「筋トレ(MFT)だけでは改善しない」と言われるのは、呼吸の質の改善なしには真の機能改善は起きないという臨床的事実に基づいています。

 

【睡眠と発達:見逃される“静かなサイン”】

オーストラリアの英語聴覚士、シャロン・ムーア先生の著書『眠りで子どもが変わる』では、衝撃的な事実が報告されています:

  • 4〜10歳の**40%**の子どもに睡眠障害がある

  • 10歳未満の66%以上が何らかの睡眠の問題を抱えている

  • その80%以上が見逃されているか、誤診されている

  • 脳の発達の90%は5歳までに完了する

つまり、

「眠れていない」ことが、子どもの人生に深刻な影響を及ぼしている可能性が高い

ということです。

発達障害と誤診される「仮性ADHD」も増えています。
その背景には、顎の成長不足による気道の狭窄→口呼吸→睡眠障害という、見逃されやすい因果関係があります。

〜後編に続く〜

\ 初診相談受付中 /

当院では、お子さまのお口や顎、顔貌の成長に関するご不安・ご相談を、 丁寧にカウンセリングさせていただいています。早期発見・早期対応が未来を変えます。 ぜひお気軽にご相談ください。

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診療ページ:「小児矯正

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執筆者紹介

赤坂矯正歯科院長 黒岩哲良

略歴:日本矯正歯科学会認定医/歯学博士/鶴見大学歯科矯正学講座 非常勤講師

矯正専門の歯科医師として、患者さん一人ひとりに最適な治療を提供することを使命としています。

デジタル矯正技術の導入や、世界中でアップデートされる治療方法の研究を日々行いながら、治療精度を高めています。

インビザライン、エンジェルアライナー、スマーティーなどのマウスピース型矯正を複数取り扱っています。

ワイヤー矯正やアンカースクリューを併用したハイブリッドな治療、裏側矯正も行っており、幅広い症例に対応可能です。

患者さんの健康と審美性を両立させるため、チーム医療の重要性を重視し、各専門家との連携を積極的に行っています。

これからも最新の知識を学び続け、より良い矯正治療を提供できるよう努めてまいります。お気軽にご相談ください。

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