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話題のダイレクトプリントアライナーとインハウスアライナーについて
LuxCreo KOLドクターが来日講演されたので、参加してきました。
ダイレクトプリントアライナーとは、
3Dプリンターから直接マウスピース(アライナー)を製造する方法です。
少し前から話題になっており、
矯正先進国のアメリカ、隣の韓国、中国、台湾などでもすでに多くの矯正医師が
インハウスでダイレクトプリントアライナーを用いて治療を行っていましたが、
レジンアレルギーなどの問題によりなかなか想定より普及していなかった背景があります。
ダイレクトプリントアライナーとは
①従来のマウスピース製造方法より手間が減らせる
②模型などの廃棄物が減るため自然環境にやさしい
③アライナーの設計が自由にできる
④形状記憶能があるため、持続的な力の継続性が期待できる
など多くの利点があり、世界中で非常に期待されているものでした。
そのため、今回安全性を確立した新しいダイレクトプリントアライナーが発表されたことに喜びと期待を抱きながら今回のセミナーを聴いていました。
講演者:LuxCreo KOLドクターのKelvin Wen-Chung 先生
Alex Jia-Hong Lin 先生
Willis Tseng 先生
ASOインターナショナルの千葉先生
プログラム内容
クリアアライナー治療のパラダイムシフト
インハウスアライナーの利点 : 治療を段階的に進め、他の治療法と組み合わせやすい
→Sectionalでワイヤー+アライナーの組み合わせ、上顎アライナー+下顎fullワイヤーなど、
それぞれの装置の得意、不得意を理解し併用して上手く使い分ける。
全ての動きをアライナー単独で行う必要はない。
→ハイブリッドアライナー治療(paralell、sequential)
アライナーで難しい歯の動きをワイヤーで補助しながら、インハウスを使う。
遠心移動をベネスライダーで行ってからインハウスアライナーに移行など、
同時に平行して行うところ、順次的に行うところの使い分けが重要。
インハウスアライナーを成功させる鍵
・患者さん側のコンプライアンス
・規則的なモニタリング、調整
・アタッチメント、その他(顎間ゴム、歯科矯正用アンカースクリュー、MSE、ブラケットなど)
・シュミレーション→どの順で動かすのか、歯が強く干渉しないように考える、アンカレッジ(歯列内、外)の設定など
・材料の特性
・アライナーデザイン
ダイレクトプリントアライナー(4Dアライナー)の紹介
・4Dアライナーとは3D+時間
・VF アライナー ( 真空成形 ) と DP アライナー ( ダイレクトプリント ) の違い
VFアライナー( 真空成形 )の課題
①アライナーの厚みが一定でない
②アライナーと歯の間のギャップが一定でない、マージン部は緩いため歯にかかる力は異なる→適合不良や圧下に関係
③アンダーカット部の適合が難しい
DP アライナー ( ダイレクトプリント )の利点
①アライナーの厚みのコントロール
②ギャップをコントロール
③アタッチメントを少なくできる
・形状記憶機能におけるNiTiワイヤーと機械的特性の違い、生体力学的利点
→NiTiワイヤーはすぐに形は変わらないが完全変形すると元に戻らない
DP アライナーは形は変わりやすいが、元にも戻りやすい(力の持続力に優れる)
→ガラス転位温度10-30°が範囲
最初は固い(低温時)が温度が高くなるとポリマーが解けて柔らかくなる。
装置を使用続けると変形するが、お湯に入れると柔らかくなってもとに戻る。
・臨床応用
DNG:ダイレクトナイトガード
DCA:ダイレクトクリアアライナー
でそれぞれ厚み、マージン形態、デザインを調整。
CT データを考慮した最新の矯正装置
ダイレクトプリントアライナーを応用した面白いアイデアを見れました。
LIVEデモ
リテーナー / アライナーの 3D プリント工程
簡素化されたワークフロー、調整可能なパラメーター、合理的な矯正歯の移動設計など設計をいくつか見れました。
細かくて自分一人では難しそうですが、簡易的にできるシステムがあるみたいです。
こだわったらかなりすごそう。