マウスピース矯正にアンカースクリューは必要か?|症例別に矯正歯科医が徹底解説|赤坂矯正歯科|港区赤坂駅すぐの矯正専門歯科クリニック

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マウスピース矯正にアンカースクリューは必要か?|症例別に矯正歯科医が徹底解説|赤坂矯正歯科|港区赤坂駅すぐの矯正専門歯科クリニック

こんにちは、赤矯正歯科 院長の黒岩です。
当院では歯列矯正治療を専門に行っております。

今回は、マウスピース型矯正装置(アライナー矯正)歯科矯正用アンカースクリューに関する私自身の見解をお伝えしたいと思います。

マウスピース矯正におけるアンカースクリューの必要性について

結論からお伝えすると、マウスピース矯正を行う際にはアンカースクリューの使用はほぼ必須だと考えています。
単純なケースでは不要な場合もありますが、当院ではほとんどの症例で併用しています。

ここで補足ですが、矯正治療における「予測実現性」とは、治療前に設計した歯の動きやゴールがどれだけ計画通りに実現するかという概念です。
マウスピース矯正では、装置の構造や力のかかり方の制限から、設計通りに歯が動かない場合が多く、この予測実現性が治療の質を左右する重要なポイントとなります。

叢生(歯並びがガタガタしているケース)

叢生の原因はスペース不足で、以下の3つの対応法があります。

  1. 拡大(歯列を広げる)
  2. IPR(ディスキング)
  3. 抜歯

 

前歯を前に出す拡大は審美や咬合への影響から適応が限られます。また、日本人の骨格は薄いため、側方拡大も注意が必要です。

最終的に遠心移動(後方拡大)が選ばれますが、マウスピース単独では予測実現性が低く、計画通りに移動しにくいことが知られています。

そこでアンカースクリューを併用することで、ゴムやワイヤーによって力をかけ、大臼歯を確実に遠心移動させることが可能です。
これにより治療精度が格段に向上します。

上顎前突(出っ歯)

治療法は主に以下の2つです。

  1. 上の歯を引っ込める
  2. 下の歯を前に出す

 

多くの場合、上顎小臼歯を抜歯して前歯を後方移動させますが、問題となるのが以下の2つです。

  • ボーイングエフェクト:歯列がたわむような現象
  • アンカレッジロス:奥歯が手前にずれてしまう現象

 

これらを回避するには、アンカースクリューによる固定源の確保が重要です。
奥歯のずれや前歯の挺出を抑え、治療ゴールとの乖離を減らす=予測実現性を高めることができます。

下顎前突(受け口)

下の前歯を内側に引っ込めることが多いですが、日本人では下顎抜歯は稀です。
代わりに、奥歯を遠心移動してスペースを作る治療方針を取ります。

しかし、マウスピース単独では遠心移動の予測実現性が低く、設計通りに動かないことが多く報告されています。
そのため、スクリューを頬棚部や歯根間に埋入し、補助的な牽引力を加えることで治療の精度と再現性が向上します。

過蓋咬合(前歯の重なりが大きい)

垂直的な咬合異常で、治療方法は次の2つです。

  1. 前歯の圧下
  2. 臼歯の挺出

 

マウスピースは挺出方向の動きが苦手なため、現実には前歯の圧下を中心とした治療が主流です。
ただし、これもマウスピース単独では実現が難しく、予測実現性が低いケースがあります。

アンカースクリューを用いて直接前歯に圧下力をかけることで、効率的に動かすことが可能になります。

開咬(前歯が咬み合わない)

こちらも垂直的な問題で、以下の方法が検討されます。

  1. 前歯の挺出
  2. 臼歯の圧下

 

マウスピースは臼歯の自然圧下を誘導しやすいため、比較的相性が良いとされていますが、開咬の程度が大きい症例では限界があります。

その場合、奥歯の頬側や口蓋側にアンカースクリューを埋入し、牽引によって積極的に圧下を行う必要があります。
これにより予測実現性が高まり、確実な咬合改善が可能になります。

まとめ:マウスピース矯正とアンカースクリューの併用が予測実現性を高める

叢生、上顎前突、下顎前突、過蓋咬合、開咬といった様々な不正咬合において、マウスピース単独では限界がある場面が多いのが実情です。

歯科矯正用アンカースクリューを併用することで、計画通りの歯の移動=予測実現性が高くなり、治療精度・スピード・仕上がりの質が大きく向上します。

また、マウスピース矯正を検討されている方には、アンカースクリューの使用も含めた精密な診断と治療計画の提案がとても重要です。

今回はここまでとさせていただきます。
ご質問がある方はぜひ当院までご相談ください。

歯科矯正治療をこれから始められる方の初診相談の費用は掛かりません。
また、他院で既に通院中の方で、セカンドオピニオンをご希望の方もお気軽にご相談ください(こちらは別途費用が掛かります)。

 

執筆者紹介

赤坂矯正歯科 院長 黒岩哲良

経歴:日本矯正歯科学会認定医/歯学博士/鶴見大学歯科矯正学講座 非常勤講師

矯正専門の歯科医師として、患者さん一人ひとりに最適な治療を提供することを使命としています。

デジタル矯正技術の導入や、世界中でアップデートされる治療方法の研究を日々行いながら、治療精度を高めています。

インビザライン、エンジェルアライナー、スマーティーなどのマウスピース型矯正を複数取り扱っています。

ワイヤー矯正やアンカースクリューを併用したハイブリッドな治療、裏側矯正も行っており、幅広い症例に対応可能です。

患者さんの健康と審美性を両立させるため、チーム医療の重要性を重視し、各専門家との連携を積極的に行っています。

これからも最新の知識を学び続け、より良い矯正治療を提供できるよう努めてまいります。お気軽にご相談ください。

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