Invisalign 矯正歯科医向けイブニングセッション(第二回)セミナーに参加して
先日、イブニングセッション(第二回)セミナーに参加しました。
この勉強会は矯正歯科医向けのInvisalignが主催するセミナーです。
今回のセッションでは、オープンバイトとディープバイトに対するアライナー治療に焦点を当て、久保田衛 先生と青木泰樹 先生が講演されました。
学んだこと
過去の論文などの報告によると、マウスピース型矯正治療において前歯の挺出はややし易く、圧下が難しい。逆に臼歯は圧下がし易く、挺出が難しい傾向が見られます。
そのため、矯正専門医師の共通の見解としてマウスピース型矯正はオープンバイト(開咬症例)はアプローチしやすいが、逆にディープバイト(過蓋咬合症例)はやや治療が難しくなると言われています。
そして、この勉強会では久保田先生と青木先生がそれぞれオープンバイトとディープバイト2症例を発表し、治療のメカニクスを含めたアプローチについて講演しました。
特に印象に残ったのは、
2人の先生間でも症例に対する考え方やアプローチに共通するところもあれば、違う点もあることです。
僕も同じ目線で見てるものもあれば、異なる目線から症例を紐解いていくのも非常に面白かったです。
オーバーコレクション(将来的な歯の動きを予測して、あえて動かす量を通常より大きくしたり小さくしたり調整を行う方法)を治療計画に組み込んでいるのは共通の認識でした。
ただし、このオーバーコレクションの量もDrの経験による匙加減の影響が非常に大きいと言われています。
ここらへんの細かい匙加減は、臨床経験も重要ですがエビデンスがあるようなデータが出てくるとより矯正治療の精度の向上に繋がると思われます。
他にも、上顎前突(2級2類case)のアプローチは作用・反作用の法則を利用した方法で、上顎大臼歯の遠心移動を行いながら前歯のフレアを行い、まずは相対的傾斜によりoverbiteを改善するという理にかなって分かりやすい説明で勉強になりました。
歯の動かし方には、相対的移動と絶対的移動の2種類があります。
今回のようなオープンバイトとディープバイト症例では、
これらの移動を上手く使い分けることが治療確実性の鍵になると改めて感じました。
感想と今後の課題
セミナーを聞いて感じたことは、同じ不正咬合の診断名がついたとしても、歯並びの個人差は大きく、それに対応する考え方やアプローチが非常に多彩であることです。
セミナーを聞いて勉強する度に感じますが、他の先生の考え方や症例に対するアプローチは、自分の治療の考え方の刺激になりますし、自分の臨床への経験値に繋げたいと日々思います。
だからこそ今後も学び続けていきたいと思います。
締めくくり
最後に、本セッション講演の先生方、スタッフ様に感謝します。いつも有難うございます。
このような勉強会を通じて、自分自身の知識を磨くことができたのは、とても貴重な経験でした。
これからもこの学びを生かし、患者さんにとって最善の治療を提供できるよう努めていきます。