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Oralpower Academyセミナーに参加しました。
演者は、非抜歯矯正学会で有名な有本先生です。
以前より有本先生が開催しているMAOセミナーの存在は知っていたのですが機会に恵まれず参加出来なかったのですが、ついに今回勉強できて非常に嬉しいです。
以下、いつものように忘備録になります。(自分の感想踏まえて)
矯正界のデジタルの潮流について
アライナーは夢のある装置だが、単なるツールであることを忘れてはいけない。
世間で普及している低価格マウスピース矯正は間違っているが、間違いを正しく言えるような社会にしていかないといけない。
そのためには、我々矯正歯科専門医が患者さんの悲劇を生まないように、正しい社会にしていく義務がある。
矯正を成功に導くための条件
①幅広い矯正学分野と関連分野の知識
矯正学は常にアップデートしていて、日々勉強やアンテナを張る。
矯正だけではなく、歯周組織、顎関節、解剖、成長など矯正に関連する知識も学ぶ必要がある。
私個人としては、今年は矯正以外にも勉強する年にします。とくに歯周外科、歯周組織に関する造詣を深めていきたいです。
②多様なテクニックに関するメカニクスの理解
矯正は様々な流派、治療方法が世界中に存在しどれからも学べることが多い。
また、メカニクスの理解は自分の治療にも大きく役立つと感じる。
③チーム医療(同業者・他科専門医・院内チーム)
医療は自分一人で出来ることは限界がある。チームを組んで患者さんに対応する方が何倍も患者さんのためになる。
赤坂近郊で根管治療・外科・歯周組織の専門医院とチームを組みたい。
Oralpowerの3要素
①機能性
カリエス処置、咬合処置、歯周治療、顎関節治療、MFT、呼吸
②審美性
顎整形、矯正治療、ホワイトニング、セラミック治療、美容外科
③持続可能性
健全な歯牙歯周組織、臼歯含めたリポジション、切歯の正しい角度、加齢変化を含めた目標、加齢変化に関する正しい知識と習慣
不正咬合の成り立ち
この考え方は私も毎回矯正相談で話していますが、
最重要は臼歯です。ここから全てが始まると言っても過言ではないです。
臼歯のポジションを治さないと結局は矯正治療は完結しないので、
私が前歯だけの部分矯正をあまり好まないのはそういう理由です。
有本先生が考える臼歯の位置づけなどは次回以降のセミナーで聞けたらいいなと思います。
矯正治療の開始時期
これは昔からずっと議論されているテーマです。
開始時期が早い遅いによる違いや影響はあるのか?
いつから始めるのが正しいのか?
これを知るには、成長を含めた加齢変化を知ることが重要です。
とくにⅢ級の子供は開始時期に悩みます。
有本先生はBAMP、MSE+MPAなどを利用して早期アプローチしていました。
BAMPは見たことなかったので非常に面白いです。
加齢変化に伴う変化
例えば、子どもでは成長に伴い骨が成長しますが、それに合わせて臼歯の幅や軸・角度が変化します。
また、成人では加齢に伴い歯列の前後径が短くなると報告されています。
これらは、矯正治療後の後戻りなどの安定性にもつながるため昔からたくさんの研究が行われ、いくつかの方法が編み出されています。
今回はその一つであるアレキサンダーテクニックに触れて解説されていました。
前歯と臼歯のアンギュレーションを工夫するのも理にかなっていますし、自分の臨床にも一部取り入れています。
今回のセミナーではここまででした。
有本先生の話が非常に面白いため、また次回も楽しみにしています。ありがとうございました。