Oralpower Academyセミナー参加レポート|赤坂矯正歯科|港区赤坂駅すぐの矯正専門歯科クリニック

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Oralpower Academyセミナー参加レポート|赤坂矯正歯科|港区赤坂駅すぐの矯正専門歯科クリニック

こんにちは、赤坂矯正歯科 院長の黒岩です。

先日、Oralpower Academyのセミナーに参加しました。講師は非抜歯矯正学会(MAO)で著名な有本先生です。

以前から先生のMAOセミナーには興味がありましたが、なかなか機会がなく、今回ようやく学ぶことができました。

実際に受講してみて、矯正治療の本質や未来について非常に示唆に富む内容であり、大変勉強になりました。

以下、自身の理解を整理しつつ、感想を交えながらまとめます。


矯正界におけるデジタル技術の潮流

アライナー矯正(マウスピース矯正)は、夢のある装置であり、多くの可能性を秘めています。しかし、それは単なるツールであり、適切に活用しなければならないという点を忘れてはなりません。

特に、近年市場に出回る低価格のマウスピース矯正は、適切な診断や治療計画なしに行われることが多く、患者さんにとって危険な結果を招くケースも少なくありません。

近年、矯正学を十分に学ばないまま、安易にマウスピース矯正治療を行う歯科医が増えていることは、矯正専門医として大変遺憾に思います。

矯正治療は単なる歯並びの改善ではなく、咬合・顎機能・歯周組織・骨格のバランスを考慮した包括的な治療であるべきです。

知識が不足したまま治療を行うことで、患者さんの口腔環境が悪化するリスクがあるため、正しい矯正学の普及が求められます。

患者さん自身が正しい知識を持ち、矯正治療を提供する歯科医の選択を慎重に行うことも重要です。

専門医が提供する正しい情報を広め、矯正治療の本質を社会全体で理解していくことが、私たちの責務だと感じています。


矯正治療を成功に導く条件

矯正治療を成功に導くためには、以下の3つの要素が欠かせません。

① 幅広い矯正学および関連分野の知識

矯正学は日々進化しており、最新の知識をアップデートし続ける必要があります。さらに、矯正治療には歯周組織、顎関節、解剖学、成長発育など、多岐にわたる関連分野の知識が不可欠です。

特に、今年は矯正以外の分野についても積極的に学び、歯周外科や歯周組織に関する理解を深めることを目標にしています。矯正治療の成功には、健康な歯周組織が重要な役割を果たすため、この分野の知識はより一層重要だと感じています。

② 多様なテクニックに関するメカニクスの理解

矯正治療にはさまざまな流派や治療法があり、それぞれに学ぶべき点があります。メカニクスの深い理解は、自分自身の治療に応用する上で極めて重要です。

治療技術を向上させるためには、単に特定の方法に固執するのではなく、異なるアプローチを柔軟に取り入れる姿勢が求められます。例えば、アライナー治療においても、ワイヤー矯正のメカニクスを理解しているかどうかで、治療計画の精度が大きく変わってきます。

③ チーム医療の実践(同業者・他科専門医・院内チーム)

医療は一人で完結するものではありません。矯正治療の成功には、根管治療、外科、歯周治療など、他科との連携が不可欠です。

特に、赤坂エリア近郊で各分野の専門医と連携し、包括的な診療を提供できる体制を整えたいと考えています。チーム医療を実践することで、患者さんにとって各分野のスペシャリストによる高度な矯正治療を提供できるようになります。


Oralpowerの3要素

Oralpowerでは、矯正治療を以下の3つの観点から考えます。

① 機能性

  • カリエス処置
  • 咬合調整
  • 歯周治療
  • 顎関節治療
  • 筋機能療法(MFT)
  • 呼吸機能

② 審美性

  • 顎整形
  • 矯正治療
  • ホワイトニング
  • セラミック治療
  • 美容外科

③ 持続可能性

  • 健康な歯牙および歯周組織
  • 臼歯を含めたリポジショニング
  • 切歯の適切な角度
  • 加齢変化を考慮した治療計画
  • 生涯にわたる健康維持

不正咬合の成り立ちと治療

矯正治療において、最も重要なのは臼歯のポジションです。臼歯の位置が適切でなければ、矯正治療は完結しません。そのため、私は前歯だけの部分矯正をあまり好みません。前歯の見た目だけを整える治療では、根本的な問題を解決できないことが多いからです。

今回のセミナーでは、有本先生の臼歯の考え方について詳細には触れられませんでしたが、今後のセミナーでさらに学べることを期待しています。


矯正治療の開始時期について

矯正治療の開始時期については、長年にわたり議論が続いています。特に、成長発育と加齢変化を考慮した治療開始のタイミングは重要です。

とくにⅢ級(下顎前突)の子どもの治療開始時期には慎重な判断が求められます。有本先生は、BAMP(骨支持型上顎前方牽引装置)やMSE+MPA(急速拡大装置+マルチプレートアプライアンス)を用いて早期介入を行っていました。BAMPはこれまで臨床で見たことがなかったため、非常に興味深いアプローチでした。


加齢変化と矯正治療

成長期の子どもでは、骨の成長に伴い臼歯の幅や軸・角度が変化します。一方で、成人では加齢によって歯列の前後径が短くなることが報告されています。

これらの変化は矯正治療後の安定性にも影響を与えるため、長年にわたり研究が行われてきました。今回は、その中でも「アレキサンダーテクニック」に焦点を当て、前歯と臼歯のアンギュレーションを工夫することの重要性が解説されました。これは非常に理にかなった考え方であり、私自身の臨床にも既に一部取り入れています。


今回のセミナーは非常に充実した内容で、有本先生の話が大変面白く、次回の講義も楽しみです。

今後も、より深く学び、臨床に活かしていきたいと思います。ありがとうございました。

 

執筆者紹介

赤坂矯正歯科院長 黒岩哲良

経歴:日本矯正歯科学会認定医/歯学博士/鶴見大学歯科矯正学講座 非常勤講師

矯正専門の歯科医師として、患者さん一人ひとりに最適な治療を提供することを使命としています。

デジタル矯正技術の導入や、最新の治療方法の研究を日々行いながら、より精密で効果的な矯正治療を目指しています。

また、インビザラインなどのマウスピース矯正のみならず、ワイヤー矯正やアンカースクリューを活用したハイブリッド治療、裏側矯正にも精通し、幅広い症例に対応可能です。

患者さんの健康と審美性を両立させるため、チーム医療の重要性を重視し、専門医との連携を積極的に行っています。

これからも最新の知識を学び続け、より良い矯正治療を提供できるよう努めてまいります。お気軽にご相談ください。

 

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