​​アンカースクリューとは？

アンカースクリュー(正式名称：歯科矯正用アンカースクリュー)は、矯正治療用の小さなネジで、一般に「矯正用インプラント」や「ミニインプラント」とも呼ばれます。チタン合金製の小さなネジで、歯茎の歯槽骨部に埋め込みます。アンカースクリューの太さは1.3mm～2.0mm、長さは6mm～12mm程度でいくつか種類があり、粘膜の厚さや骨の状態によって使い分けていきます。

この装置を使用することで、従来の矯正治療では難しかった歯の移動が可能になりました。

関連ページ「アンカースクリュー併用治療」

院内での施術症例写真(動的治療完了時)

歯科矯正アンカースクリューにて臼歯の圧下による開咬の解消を行った症例です。

 

アンカースクリューのメリット

1. 治療期間の短縮
   

   アンカースクリューを使用した場合、矯正治療の期間を短縮できるケースが多いです。従来の方法では一度に動かせる歯の数に制限がありましたが、アンカースクリューを使用することで、複数の歯を同時に効率よく動かすことが可能になりました。

2. 治療の完成度の向上
   

   従来の歯と歯同士で引っ張り合う治療の場合、作用・反作用の法則が働くため、計画通りに歯が動かなかったり、狙い通りに歯のスペースを確保する事が困難でした。アンカースクリューを固定源とすることで、動かしたい歯だけを正確に移動させることができます。これにより、周囲の歯への影響を最小限に抑えながら、理想的な歯列を作り出すことがより確実になりました。

3. 大臼歯を後方に動かせるので、抜歯治療の可能性を低くできる
   

   従来では抜歯が必要とされるケースでも、アンカースクリューを用いて大臼歯を後方に動かす(遠心移動)ことで、抜歯なしに歯列にスペースを作り出せる場合があります。

4. 複雑な装置が不要
   

   従来の矯正では、動かしたくない歯を固定するための大きな補助装置(加強固定装置)が必要でした。アンカースクリューを使用することで、このような複雑な装置が不要になり、患者さんの治療快適性が向上しました。

アンカースクリューのデメリット

1. 少量の麻酔と短時間の手術が必要
   

   歯茎に小さな穴を空けてネジを、少量の麻酔を使用します。ただ、1-2mm程度と小さな穴のため、治療後に痛みや腫れはほとんどありません。「少しでも痛いのは嫌」という方には、市販の痛み止めを服用して頂いております。

2. 脱落と感染症のリスク
   

   通常のインプラントとは違い、治療後にスムーズに取れるよう、骨にくっつかないようにしてあるため、治療中に自然に抜けてしまうこともあります。そんなときは再度ネジを埋め込みして治療を続行します。また、口腔環境が不衛生な状態では感染症を起こす場合があります。歯磨きや口腔管理をしっかり行っていただければ通常問題はありません。

 

注意点

アンカースクリューは全てのすべての患者さんに適用できるわけではありません。使用する際には、精密検査と適切な治療計画が重要です。

当院では精密検査後、治療計画を実際に策定してみて一人一人の歯並びや噛み合わせの状態によって、アンカースクリューの併用治療をしない事(アンカースクリューが必要ない場合)もあります。

また、担当医がアンカースクリューに関する十分な知識と臨床経験を持った上で、適切な埋入部位を選択し、正確な埋入技術で手術を行う必要があります。

 

よくある質問

 

Q 腫れたり、痛くなったりしないですか？

A 埋め込む手術では局所麻酔を使用しますので、痛みはありません。手術時間も15分程度ですので身体的な負担も非常に少ないです。

ネジを打った後、当日は少し痛みが出る場合もありますが、翌日からは痛みもありません。

腫れる事もありませんのでご安心ください。

 

Q 費用はどのくらいかかりますか？

A 当院では40,000円(税別)/本となります。詳しくは料金表ページをご覧ください。

当院ではトータルフィー（治療費用定額制度）を導入しておりますが、アンカースクリュー併用治療はオプションとなりますので、担当医から詳しくご説明をした上で、使用するか否かを患者様にお決めいただいております。