顔が長い・短いの違いは骨格にあり?矯正に影響する「ハイアングル・ローアングル」を解説|赤坂矯正歯科|港区赤坂駅すぐの矯正専門歯科クリニック

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顔が長い・短いの違いは骨格にあり?矯正に影響する「ハイアングル・ローアングル」を解説|赤坂矯正歯科|港区赤坂駅すぐの矯正専門歯科クリニック

顔が長い?短い?矯正に影響する“ハイアングル・ローアングル”とは

矯正相談で「あなたはハイアングルなので…」と言われて、何のことかわからなかった…そんな方もいるのではないでしょうか?

実はこの「アングル」とは、顔の骨格の“縦の長さ”に関するタイプ分けのこと。矯正治療ではこの違いがとても重要です。

下の2人は「アングル」が正反対です。
どこが異なると思いますか?

左は、顎が後ろに回転しているハイアングルです。顎が後ろに回転して後退しています。
右は、顎が前に回転しているローアングルです。顔の下半分がクシャっと短いです。

アングルと顔立ちの民族的傾向|縄文顔・弥生顔の関係

余談ですが、実はハイアングル・ローアングルという顔の骨格傾向は、日本人のルーツとされる「縄文系」「弥生系」の顔立ちとも関係があるといわれています。

  • ハイアングル型は、比較的 面長で鼻筋が通った弥生系の顔立ちに多い傾向があります。
  • ローアングル型は、頬骨が張り、下顎が発達した縄文系の顔立ちに近いとされています。

もちろんこれは骨格の一要素としての傾向であり、すべての人が明確に分類されるわけではありませんが、民族的な起源と顔貌の傾向に関する研究として興味深いテーマです。

一般的に、日本人の顔立ちは以下のような割合とされています:

  • 弥生系顔:約60%
  • 縄文系顔:約40%

(参考:馬場悠男『日本人になった祖先たち』、国立科学博物館などの形態人類学研究)

ハイアングルとは?顔が長いタイプの特徴と矯正治療の注意点

  • 顔が縦長の印象
  • 下顎の角度(下顎枝角:gonial angle)が大きく、顔の下半分が長く見える
  • 開咬や口呼吸の傾向があることも
  • 噛む力(咬合力)が弱く、咀嚼筋が発達しにくい

ハイアングルの人が矯正治療で注意すべきこと

矯正治療では…

  • 歯を動かす際に、後方回転(clockwise rotation)しやすく、さらに“顔が長く”なるリスクがあるため、慎重に力のコントロールをする必要があります。
  • 例えば、奥歯の挺出(extrusion)や前歯の唇側傾斜を避け、垂直的なコントロールが重要です。
  • ハイアングルを積極的に改善させる場合には、奥歯の圧下を狙って行います。
  • その際の下顎の動かし方をオートローテーション(カウンタークロックワイズローテーション)と言います。
  • ただし、このオートローテーションを狙うかどうかは骨格や歯並びの状態を総合して行うかどうかを判断しますので、ハイアングルの方が全員この治療が必要というわけではありませんので注意して下さい。

ローアングルとは?顔が短いタイプの特徴と矯正治療の注意点

  • 顔が短くがっしりした印象
  • 下顎の角度が小さく、下顎が水平にしっかり成長している
  • 噛む力が強く、咀嚼筋が発達している
  • 過蓋咬合(深い咬み合わせ)になりやすい

ローアングルの人が矯正治療で注意すべきこと

矯正治療では…

  • 噛む力が強く歯を押さえつけることにより、歯の移動が遅かったり、計画通りに歯が動かないこともあります。
  • また、ローアングルは過蓋咬合を伴うことが多いです。

過蓋咬合の改善には、以下の4つを考えて治療計画を組みます。

  1. 上顎前歯を圧下
  2. 下顎前歯を圧下
  3. 上顎臼歯を挺出
  4. 下顎臼歯を挺出

このどれを行うのか、組み合わせるのかは上下のバランスを慎重に考えて治療を行うのが安全です。

アベレージアングルとは?ハイアングルとローアングルの中間型

ハイアングルとローアングルの中間のタイプを「アベレージアングル」と呼び、比較的バランスのとれた顔貌です。
アングルにはそこまで気を払わなくても問題なく治療を進められることが多いです。

顔のアングルはどのように診断するの?

  • レントゲン(セファログラム)で下顎下縁平面角(SN-MPやFH-MPなど)を計測し、基準角度との比較で判定します。
  • 近年では3Dスキャンや顔貌診断ツール(例:RayFace)でも顔の比率がわかるようになり、患者さんとの治療前のイメージ共有にも役立っています。

まとめ:アングルタイプは矯正治療法の選択に影響する重要な要素

患者さんにとっては一見分かりにくい「ハイアングル」「ローアングル」ですが、矯正治療計画の立案や治療の進め方には欠かせない情報です。
ただし、アングル(下顎下縁平面角)はその人の生まれ持った骨格の一つであるため、
必ずしもハイアングルやローアングルを無理やり基準値にしないといけない訳ではありません。

むしろ矯正治療単独で治す場合には限界があるのも事実です。

どこまでは改善が見込めるのか?
この症例は積極的に改善させる必要があるのか?
もし計画通りに改善が出来ない場合のplanBは準備・想定されているのか?

など考えることはたくさんあります。

また、これらは矯正治療の経験・知識が必要とされるところでもありますし、垂直的なコントロールは難しい分野だと感じます。
私自身も臨床経験や学びを重ねながら、患者さんへの治療を今後もより研ぎ澄ましていきたいと思います。

赤坂矯正歯科 院長 黒岩哲良

自分のアングルタイプが気になる方へ|初診相談のご案内

顔の骨格タイプが気になる方、自分に合った矯正方法を知りたい方は、ぜひ一度当院の初診相談をご利用ください。
専門的な診断とわかりやすい説明で、不安や疑問を一つひとつ丁寧に解消いたします。

執筆者紹介

赤坂矯正歯科 院長 黒岩哲良

経歴:日本矯正歯科学会認定医/歯学博士/鶴見大学歯科矯正学講座 非常勤講師

矯正専門の歯科医師として、患者さん一人ひとりに最適な治療を提供することを使命としています。

デジタル矯正技術の導入や、世界中でアップデートされる治療方法の研究を日々行いながら、治療精度を高めています。

インビザライン、エンジェルアライナー、スマーティーなどのマウスピース型矯正を複数取り扱っています。

ワイヤー矯正やアンカースクリューを併用したハイブリッドな治療、裏側矯正も行っており、幅広い症例に対応可能です。

患者さんの健康と審美性を両立させるため、チーム医療の重要性を重視し、各専門家との連携を積極的に行っています。

これからも最新の知識を学び続け、より良い矯正治療を提供できるよう努めてまいります。お気軽にご相談ください。

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