アンカースクリュー矯正|赤坂矯正歯科|港区赤坂駅すぐの矯正専門歯科クリニック

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アンカースクリュー併用治療

アンカースクリュー矯正|赤坂矯正歯科|港区赤坂駅すぐの矯正専門歯科クリニック

アンカースクリュー併用治療とは

アンカースクリュー併用治療とは

小さいネジ(=歯科矯正用アンカースクリュー)を骨に埋め込み、骨を固定源とすることで目的の歯だけを狙って動かすための効率的な矯正治療法です。
この歯科矯正用アンカースクリューを絶対的な固定源と呼び、治療期間の短縮、精密で質の高い治療、治療の確実性の向上を図ることができます。
従来では難しかった難症例も治療可能になり、また、歯を抜かずに矯正治療を達成できる可能性も広がり、従来の矯正治療で得られる治療の限界幅が飛躍的に広がったと言えます。
患者様の負担を軽減し、安全に、効率的に、シンプルに、質の高い治療結果へと導くことができます。
歯科矯正用アンカースクリューの装着に伴う施術は、現在では非常に低侵襲で安全、かつ簡便、痛みや腫れもほとんどなく埋入が可能です。施術時間は20-30分以内に終わることがほとんどです(麻酔の時間含める)。
治療後は歯科矯正用アンカースクリューを取り除きますが、傷跡が残る心配もありません。

適応:ガミースマイル、遠心移動が必要なケース、圧下が必要なケース、強固な加強固定が必要なケース、難症例、歯が動きにくい方など

アンカースクリュー併用治療のメリット

治療期間の短縮・患者様の
治療への協力負担の軽減

治療期間の短縮・患者様の治療への協力負担の軽減

従来の矯正治療では前歯を引っ張る際に反作用で奥歯も手前にずれてしまいます。
奥歯が予想よりもずれてしまい(アンカーロス)、最初の治療計画が崩れてしまう問題がありました。
そのため、大がかりな装置を患者様に利用して貰い、奥歯が動かないように固定する努力を日々行ってきました。

治療期間の短縮・患者様の治療への協力負担の軽減

この課題に対応するため2000年頃に画期的な装置である歯科矯正用アンカースクリューが発明されました。
歯科矯正用アンカースクリューを用いて引っ張ると、奥歯をずらさずに前歯だけをまとめて引っ張ること(エンマスリトラクション)ができます。
結果、従来の方法より確実に治療計画を達成でき、治療期間の短縮も可能になりました。

歯の移動量の限界幅が広がった

歯の移動量の限界幅が広がったというのは、歯科矯正治療において、以前よりも広範囲な歯の移動が可能になったことを指します。
患者様の口腔状態や治療目標に基づいて、より個別化された治療計画が立てられるようになりました。これにより、より複雑な歯の移動も可能になります。
歯科矯正用アンカースクリューを用いると、歯科矯正治療の範囲が広がり、患者様にとってより多様な治療選択肢が提供することが可能になりました。

非抜歯で矯正できる可能性が
大きく向上

奥歯(大臼歯)をさらに後ろに動かす(遠心移動)治療は、従来の矯正治療ではほとんど不可能に近く、できたとしても動かせる量はわずかなものでした。
しかし、骨にネジを埋入して引っ張る歯科矯正用アンカースクリューがそれを可能にしました。
結果、従来であれば抜歯が必要な症例でも、大臼歯の遠心移動を組み込むことで歯を抜かずに治療できる可能性が高くなりました。
また、ガタつきをむりやり並べると口元が出てしまうケースでも、遠心移動を組み込むと前歯の突出を抑えながらガタつきを改善することが可能になりました。
(残念ながら、某大手チェーンのマウスピース矯正はこの遠心移動ができないため歯並びは揃えたけど出っ歯になっている仕上がりの方が多いので注意してほしいです。)

難症例の治療も対応可能になった

今までは難しかった歯の移動方向や移動量を得ることが可能となり、より難易度、重症度の高い症状でも治すことが可能になりました。
歯科矯正用アンカースクリューの有効活用の1つが、親知らず(第三大臼歯)を奥歯の代わりに利用できるようになった点です。
従来の矯正治療では、親知らずなどの大きな歯を長距離動かすことは非常に難易度が高く、確実性の低い治療として諦めてきた背景があります。
ところが、アンカースクリューの使用により奥歯を前方に大きく動かす(近心移動)ことがアプローチしやすくなり、結果的に奥歯を失っても代わりに親知らずで代用できるようになる時代がきました。

外科矯正の回避
または手術の負担を軽減

外科矯正が必要かどうかのボーダーライン症例は以前よりありましたが、外科矯正を選択することがほとんどでした。
しかし、歯科矯正用アンカースクリューの利用により歯の移動限界量が大きく増えたことで手術を行わずに、矯正治療単独で改善できるようなケースが増加しました。
歯科矯正用アンカースクリューが普及以降の研究によると、外科矯正のボーダーラインが大きく緩和されたという報告もあります。
また、外科手術をした場合でも手術時の骨の移動量を減らすことで、患者様への負担が軽減したり、骨の後戻りのリスクの軽減などメリットが多いです。

ガミースマイル、開咬が
治療しやすくなった

ガミースマイル、開咬が治療しやすくなった

これまで困難だった歯の圧下(歯茎の中に歯を沈み込ませる治療)が可能です。
これにより、ガミースマイル(笑った時に歯茎が見えすぎる症状)や開咬(奥歯はかんでいるのに前歯が開いてる)、咬合平面の傾斜(上の歯列が左右に傾いているような症状)へのアプローチがしやすくなり質の高い治療結果につながっています。

前歯を引っ込められる量が増加
(口元の審美性の改善)

従来の矯正治療では、前歯を後ろに下げる時に奥歯が少し手前にずれてしまう(アンカレッジロス)と言う反作用が生じていました。
アンカースクリュー併用治療を用いること(絶対的固定源)で、奥歯をズラすことなく、前歯だけを抜歯スペースに対してしっかりと下げることが可能となりました。
これは、矯正の治療結果の質を向上させるとても画期的な方法と言えます。
抜歯して得られた隙間を最大限に口元の審美性の改善に利用しています。

成人でも骨を拡げられるようになった(MARPEの応用)

成人でも骨を拡げられるようになった(MARPEの応用)

成人では上あごの骨の真ん中(口蓋正中縫合)の癒合が進んでいるため、骨を拡げるためにはSARPE(Surgically assisted rapid palatal expansion) という治療が行われてきました。

①オペのため入院
②オペで上あごの骨(口蓋正中縫合部分)を外科的に矢状骨切り
②オペ室で矯正装置(急速拡大装置)をセット
③ネジ(エキスパンダー)を回して骨が動くか確認
④オペ終了
⑤術後、エキスパンダーを回す

この流れですが、感染などのリスクもあり、患者様にとても負担の大きい治療でした。
今では、この課題を解消する新しい拡大方法が発明され、利用されています。
この新しい急速拡大法は、装置を歯に固定するのではなく、歯科矯正用アンカースクリューを4本用いて装置を左右の上顎の骨に固定して、エキスパンダーで拡げる方法です。
MSE(Maxillary Skeletal Expander)またはMARPE(Miniscrew Assisted Rapid Palatal Expansion)と呼ばれています。

①矯正装置と歯科矯正用アンカースクリューを同時にセット
②エキスパンダーを回す

この比較的簡便な術式の登場により、大人でも骨ごと歯列を拡大できるようになったのです。

施術の流れ

施術の流れ

スクリューは、直径1.4〜2mm、長さ6〜10mm程度で、生体親和性の高いチタン製の微小なネジです。
施術は非常に簡単で、いわゆる木ネジと同じ要領でドライバーで歯槽骨に埋入します。
術前に麻酔を使用するため、出血・痛み・腫れもほとんどなく、実際の処置時間は1本あたり平均的に20〜30分程度で、当院内で行います。

1

最初にレントゲン上でスクリューの埋入位置、埋入方向を検討・確認します。

最初にレントゲン上でスクリューの埋入位置、埋入方向を検討・確認します。

2

切開は行わず、消毒と少量の部分麻酔を行い、スクリューをドライバーで埋入していきます。

切開は行わず、消毒と少量の部分麻酔を行い、スクリューをドライバーで埋入していきます。

埋入する部位によっては骨が硬く、抵抗が強いためスクリュー破折の危険性がある場合は、ドリルで誘導孔を形成(プレドリリング)する場合もあります。

3

しっかりと植立されたことを確認し、消毒します。

しっかりと植立されたことを確認し、消毒します。

すぐに矯正力をかける(即時付加)場合もありますし、ある程度の治癒期間を設けてから矯正力をかける場合もあります。

4

抗生物質・鎮痛剤の処方を行い、清掃などの指導を行います。

抗生物質・鎮痛剤の処方を行い、清掃などの指導を行います。

5

スクリューは治療途中で必要がなくなれば取り除きます。

ほとんどの場合、麻酔は不要です。1-2分程度で撤去は終わります。

6

傷跡の穴は3日程度で塞がり、傷跡などは残りません。

歯科矯正用アンカースクリューに関する注意点

お口の中の衛生管理

特に日常生活における制限はありません。異物感もすぐに慣れてきます。しかし、スクリュー埋入部位を不衛生にすると、感染により歯茎の腫れやスクリューの脱落などが生じる場合があります。
日頃よりお口の中の衛生管理に気をつける必要があります。施術時にスクリュー周囲のブラッシングや清掃についてお話しいたします。

年齢について

通常、成長期が終了して骨が成熟した14-15歳以降が適しています。性差や個人差もあります。
また、高齢の方の場合には、年齢の増加に伴って骨の密度が薄くなることにより、スクリューの骨埴状況が悪くなる場合もあります。そのような場合には、また再度、より骨埴状況の良い部位を探し再埋入を行います。

喫煙について

喫煙は、傷の治癒や歯肉炎歯周病のリスクファクターです。スクリューの脱落率とも関連があると言われ、可能であれば、禁煙されることをお勧めいたします。

全身的な病気のある場合について

全身的に重い病気のある場合、出血性の病気、口腔内乾燥症、免疫不全、白血球機能不全、骨に関する病気のある場合、糖尿病、ステロイドの投与を行っている場合、高血圧、妊娠中などの場合は、まずは当院までご相談ください。

スクリューの再埋入の可能性

十分に注意をしていても、骨の状態や、感染等によりスクリューが緩んだり、外れることがあります。
その場合には再度埋入する必要があります。(自然脱落の場合には、再度費用はかかりません。)
ただし最近では埋入機材の進歩により、脱落してしまう割合は格段に減少しています。
また、治療が進み歯が動いてくると、スクリューが歯の移動の邪魔になってくる場合があります。このような時には、再度スクリューを別の場所に埋入し直します。

スクリュー破折の可能性

基本的にスクリューが破折することはありませんが、学会などでまれに報告されています。埋入時のトルク値(入れる時の力)が強い、外部からの衝撃が加わるなどが理由として挙げられます。
もし生じた場合は、当院に備わっている専用機器にて取り出し作業を行います。

歯根吸収、歯髄壊死の可能性

スクリューを埋入する際に歯の根本(歯根)に当たると歯根吸収を生じるリスクがあり、歯根吸収に伴い、歯の神経がダメになる(歯髄壊死)ことも考えられます。
ただし、最近では技術が発展し、埋入前にレントゲンやCTで確認して埋入する、歯科矯正用アンカースクリュー埋入用のステントを作製できる時代になったためほとんど起きることはなくなりましたので、安心してください。

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